製造工程(自家製天然製品)

1.原料を選別する
2.だし用の昆布
3.漬け前について
4.包丁研ぎとアキタ
5.おぼろ昆布を削る
6.太白おぼろを削る
7.むき込みの包丁
8.むき込み(黒とろろ)を削る
9.手かき白とろろを削る


1.原料を選別する

  天然製品の原料。北海道道南、白口浜の天然元揃え真昆布3等です。当店が使用する産地は白口浜産(尾札部、川汲、安浦、臼尻などの浜)。一箱当り8kgの昆布が入っています。これらの昆布を3種類に選別し、各加工に使用します。
だし用の昆布
一枚が60g以上あり、適度な大きさと肉付きのあるもの。これらをカットしてだし昆布として販売しています。
■だし真昆布(1番切り)
■だし真昆布(切落し)
おぼろ用の昆布
比較的肉付きがよく、巾の細い昆布を中心に選ぶ。スソの薄い部分はカットし、だし用(切落し)へ。
■おぼろ昆布
■太白おぼろ昆布
□ツメ昆布
□おやつ残り地
□白板昆布
(バッテラ・五寸)
むき込み(とろろ)用の昆布
巾の広い昆布や、肉付きの少ない昆布などを選ぶ。スソの薄い部分はカットし、だし用(切落し)へ。
■むき込み黒とろろ
■手かき白とろろ
□ツメ昆布
□おやつ残り地
□白板昆布
(五寸・八寸・尺〇)

2.だし用の昆布
選別した昆布
一枚のだし用の昆布。だし真昆布(1番切り)は、昆布の頭から60g計量したもの。残りの部分はお得用として販売します。
1番切りをカットする
右下がだし真昆布(1番切り)。左上がだし真昆布(切落し)。また切落しには、おぼろ用やとろろ用の薄いスソ部も使います。
■だし真昆布(1番切り)60g 600円 ■だし真昆布(切落し)60g 460円

3.漬け前について
漬け前の酢

おぼろ、とろろを加工するには、選別した昆布をお酢に漬ける「漬け前」という作業を行います。お酢に漬けることで昆布が柔らかくなります。
漬け前直後の昆布

原料の昆布は、季節により乾燥具合が変わります。漬ける時間や回数、保管などを調整しおぼろ、とろろの地を仕上げます。
おぼろ地の耳裁ち
漬け直後の昆布。おぼろをきれいに削るために硬い耳をはさみで切落します(右側)。また耳の裂けなども同時に切落します。おぼろは昆布を引っ張りながら削るのでこの処理をします。
おぼろ地の完成

おぼろの地です。とろろの地に比べ硬めに仕上げます。湿気や乾燥に気をつけ、一旦この状態で保管します。
このあと、さらえの工程をへておぼろ昆布を削ります。
出来上がったむき込み地
昆布表面を掃く作業をしてむき込み地(とろろ地)の完成です。掃き前は、ブラシを使った機械掃きなどもありますが、うちでは布で一枚一枚目視しながら掃きます。
むき込み地はおぼろ地よりも柔らかめに上げます。お酢の酸味もよくのっています。

4.包丁研ぎとアキタ
包丁研ぎ

写真は回転式の砥石(仕上げ用)です。砥ぎ終えた包丁で0.5Kgの製品を上げることを目安として削ります。
刃が減ってくれば荒砥で2番を落としもします。
アキタを引く

右手に持ってるのがアキタ。鋼(はがね)です。おぼろを削るには包丁の刃に引っ掛かりをつけなければなりません。包丁の角度を変えアキタを数回引き刃先を曲げます。

5.おぼろ昆布を削る
さらえ
おぼろを削る前に昆布の表面を整えます。おぼろ地の表面を撫でるように包丁を入れます。真っ黒な昆布の表面に黄色っぽい虎目がついて行きます。この処理をさらえと呼びます。こうする事できれいなおぼろ昆布になります。また付着物の除去にもなります。
おぼろ昆布を削る
さらえが終えた地でおぼろを削って行きます。右足で地をしっかりと固定し、左手で地をしっかり引っ張る。右手で包丁を動かす。
おぼろ昆布
白口浜天然真昆布で削る、おぼろ昆布が出来上がりました。昆布うどん、だし湯豆腐などでお出汁に広がりを持たせます。つまんで食べてもおいしいです。


.太白おぼろを削る
太白おぼろ地
これはおぼろ昆布を削った後の地です。白い肉部だけになりました。この地を7日ほで寝かせます。そうすることで地が適度に乾燥し、お酢の酸味も和らぎます。
太白おぼろ
天然真昆布の甘味、そして落ち着いたうま味。椀物やだし湯豆腐の具材としてご賞味ください。


7.むき込みの包丁
昆布目打器械
メイドイン堺の目打器械。むき込み(とろろ昆布)を削るには、刃に細かい目を打ちます。左の稼働台に包丁をセットし右のハンドルを回せば、上部のカンナが何度も落ちる仕組みです。
包丁に目を打つ

上の写真は稼働台に包丁をセットした様子。下の写真(少し見にくいです)が包丁に目を打ってるところ。刃先全体に目打ちします。むき込みの加工にはこの包丁を使います。

8.むき込み(黒とろろ)を削る
むき込み(黒とろろ)を削る

目打ちした包丁を使い柔らかく漬け込んだ地を削ります。地の表面は、お酢がよくのっています。また表面はうま味も強くあります。
近年ではむき込みを加工する職人は少なく、しかも天然昆布を使用するとなると限られたお店でしか手に入りません。
 
細かく削られた、むき込み黒とろろ。
ご飯にのせてお召し上がりください。


9.手かき白とろろを削る
白とろろ地
 
むき込みを削り終えた地を2週間以上寝かせます。そうすることで真昆布の甘味成分が地の表面に現れます。白い粉状のマンニットと呼ばれるものです。
 
天然の手かき白とろろ。最大の特徴は、真昆布の肉の甘味とほのかなお酢の酸味。ごはんに混ぜ込んでお召し上がりください。
写真右は
梅干しと白とろろのまぜごはん刻み大葉添え。